振動試験について

振動試験は製品の耐久性や性能を評価するために行われます。
世の中に存在するモノは、常に何らかの振動の影響にさらされています。
実際に使用される環境下や輸送中に受ける振動の影響に耐え製品寿命までその性能を発揮できるかの評価に、
また定められた規格試験の実施等、高い品質の製品を作るために振動試験は世界中の研究開発や品質保証の現場で行われております。

振動試験の目的

  1. 01

    振動耐久試験

    自動車部品、電子部品、航空機部品等

    設計・製作された製品が、使用される振動環境に耐えて、その寿命まで性能を発揮できる事の確認

  2. 02

    輸送梱包試験

    家電品、OA機器、その他全産業

    出荷される製品が輸送時に受けると予想される振動を与えて、製品自体及びそのパッケージに問題がない事の確認

  3. 03

    生産ラインの検査

    機器の半製品段階、製品段階

    生産ラインの終段に組込み、半製品又は製品のハンダ不良、ネジ止め不良、配線の外れ等の検査

  4. 04

    地震対策の試験

    建築、石油・ガス機器

    地震による建造物・機器等の破損や性能障害を防ぐ為の試験研究

  5. 05

    振動計・地震計の校正

    振動計・地震計の校正やセンサの校正・感知器等の動作確認

  6. 06

    振動解析・計測

    自動車、船舶、車両、建築、金属等

    部材・構造物の振動伝達を測定したり、メカニカルインピーダンスを求めて設計に反映する為の基礎試験

  7. 07

    工業用生産機器

    粉体の充填・流体の攬絆等

振動試験の規格

振動試験の主な規格には以下のようなものがあります。
振研では、以下を含む様々な規格に対応した振動試験装置を製作しております。

事例・分野から探す

番号 内容
JIS C 60068-2-6 環境試験方法- 電気・電子- 第2-6 部: 正弦波振動試験方法( 試験記号:Fc)
JIS C 8713 密閉型小型二次電池の機械的試験
JIS D 1601 自動車部品振動試験方法
JASO D 014-3 自動車部品 ― 電気・電子機器の環境条件及び機能確認試験
JIS Z 0232 包装貨物―振動試験方法
ISTA 国際安全輸送協会:パッケージ製品の性能試験
ASTM D4169 輸送用コンテナ及びシステムの性能試験の標準実施要領
JIS E 4031 鉄道車両用品―振動及び衝撃試験方法
JIS F 8006 船用電気器具の振動検査通則
JIS W 0812 航空機搭載機器―環境条件および試験手順
JIS S 1018 家具の振動試験方法
UN38.3 リチウムイオン電池 国連勧告輸送試験
JEDEC(半導体技術協会)規格 JESD22-B103-B Vibration, Variable Frequency
NEBS(Network Equipment Building System) GR-63-CORE 情報通信設備耐震試験

振動試験装置の種類

振動試験装置の種類

振動試験装置の種類は振動発生の方式により上記のように分けられます。

機械式は現在ではほとんど使用されなくなっており低周波の単純振動で加振するだけでいい場合のみ、安価である為現在でも購入されるお客様もありますが、コントロールに難があり(ランダム、ショック制御は困難不可)全く発展性がありません。
油圧式は大型(50kN以上の加振力)では動電型に比べ価格的に安いというメリットはありますがランニングコストとメンテナンス料が高く余程の大型でない限り使用年数全体の費用としては動電型とあまり大きな違いはありません。又、上限振動数が動電型に比べ200Hz程度と低く高振動数の試験には使用できないことや、入力信号に対する油による応答の遅れの為制御も動電型に比べ難しいというデメリットもあります。
現在動電型と機械式との競合はほとんどありませんが、加振力が50kN以上の案件では動電型と油圧式とが競合になることもあります。

動電型振動発生機の原理

弊社で製造・販売しております振動試験装置は動電型であり、
動電型振動発生機の原理と特徴を次に説明します。

  • 原理

    「磁界中にある導体に電流を流すとこの導体は力を受ける」という電磁効果がありますが、これはモーター、スピーカー、メーター等種々の機器に広く応用されています。いわゆる、“フレーミングの左手法則” であり、動電型振動試験装置もこの電磁効果を利用した電気-機械変換機であります。右図のように円筒型の磁路に空隙を設けておき、この空隙に接触しない様にバネで保持された駆動コイルを挿入しておきます。磁路の中にある励磁コイルに直流電流を流すと磁束が矢印のように発生し、空隙には直流磁界ができます。
    この駆動コイルに交流電流を流す事によって駆動コイルが上下運動します。これが‛振動‛で、この時発生する力は流す交流電流に比例します。。

  • 原理

    実際の動電型振動発生機は、磁束効率を良くする為、又、安定した動作を続ける為に種々の部品が内蔵され、形状も複雑に作られています。この方式の特徴は電流を制御する事によって簡単に任意の波形で任意の振動量を発生する事ができ、又、振動数範囲も広く、振動加速度も大きな値が得られます。次に動電型振動試験装置の代表的なブロック図を左に示します。尚、このブロック図は基本的な組み合わせで、試験条件や使用目的によってこの他に様々な機器が追加されます。

アクセス

振動試験センターは中央自動車道八王子インターより約1kmの場所にあります。電車でお越しの方は、JR または京王線「八王子駅」よりバスまたはタクシーをご利用下さい。

中央自動車道
八王子IC から約1km
JRまたは京王線
八王子駅からタクシーで約15 分